カテゴリー : 意見評論

みんなの党が、岡崎国家公安委員長の問責決議案を提出した件について。

おお!という感じ。

みんなの党が、岡崎国家公安委員長の問責決議案を提出した。問責決議案ということだから、参議院での提出となっている。
問責決議案の理由は、国家テロ情報の流出問題と、岡崎トミ子が以前に反日デモに参加していたということらしい。

その理由について云々はさておき、この問責提出という判断は、みんなの党が独自の路線を歩む第一歩になったという意味で非常に大きな意味を有していると考えられると思う。
そもそも問責決議案や不信任決議案を提出するというのは、与野党合戦の象徴でもあり、殆どの場合第一野党が政権与党に出すものであった。例えば麻生内閣不信任決議案は鳩山由紀夫ほかの提出であり、その他の不信任決議案も、多くが第一野党(というか民主党)の代表提出であることが多い。

しかし、今回の岡崎国家公安委員長の問責決議案は、みんなの党が単独提出という形になっているらしい。自民党はどう対応するのだろうか、と気が気でならなかったが、ここにきて面白いことになっている。

岡崎氏の問責提出へ みんなの党
2010.12.1 09:42
このニュースのトピックス:諸政党

みんなの党は30日、警視庁公安部が作成したとみられる国際テロ捜査資料が流出した問題を受け、岡崎トミ子国家公安委員長に対する問責決議案を今国会に提出する方針を固めた。

渡辺喜美代表は30日、国会内で記者団に「できるだけ早めに出したい」と述べた。自民党参院幹部は同日夜、岡崎氏への問責決議案が提出された場合は同調する考えを示した。

岡崎公安委員長の問責案提出=みんな

みんなの党は2日、国際テロに関する捜査情報の流出問題で「発覚後も有効な手だてを何ら講じなかった」として、岡崎トミ子国家公安委員長に対する問責決議案を参院に提出した。自民党は岡崎氏の問責に消極的な姿勢を示しており、決議案は今国会中に採決されない見通しだ。

上の記事は、産経新聞から。下の記事は時事通信である。

恐らくは今国会中には何もされないで終了になるだろうという算段のようだが、それにしたって、自民党が賛成や反対について明らかな態度を取っていない中で単独提出するだけの意気込みがあるということは凄いだろう。

もっとも、パフォーマンスと取られても致し方ない側面もある。今国会は数日中に閉会が確定しているわけだから、ある意味ここまでの流れは国会議員だったら見えている、と行っても過言ではないだろう。然しながら、これまでとは違った形での問責決議案で、民主とみんなの決裂はさらに大きくなったに違いない。

エコポイントが終わる

今年の消費活性化策ではナンバーワンだったでしょうね。

子ども手当よりも数倍消費活性化に貢献したであろうエコポイント。そのポイント半減が12月から始まるのを前に、早くも消費者による合戦が始まっているらしい。

家電エコポイント半減前の最後の週末 家電量販店にたくさんの人が詰めかける
フジテレビ系(FNN) 11月27日(土)12時25分配信

家電エコポイント制度でもらえるポイントが12月からほぼ半減するのを前に、最後の週末を迎えた27日、家電量販店には、朝からたくさんの人が詰めかけている。
エコポイント半減直前の最後の週末、「ヤマダ電機LABI1日本総本店池袋」には、開店前から長蛇の列ができていた。
午前10時の開店前から、およそ350人の行列ができた。
行列に並ぶ客は、「エコポイントがね、終わりとか、半減とか、そういうからみのことですからね。やっぱり皆さん、敏感ですねって。その中に交ざっちゃってるんですけど」と話した。
エコポイントが12月1日からほぼ半減する前の最後の週末。
しかし、中にはすぐに何も買わずに出てくる人もいた。
出てきた客は、「ディズニーランドみたいに並んでてですね、とても買える状態じゃないですよね」、「3時間待ちぐらいですね。整理券だけもらって、また午後からもう1回出直しです」などと話した。
先週の薄型テレビの売り上げは、前年比およそ5.6倍に達するほど。
一方、こちら、千葉・佐倉市の「ベイシア電器佐倉店」では、11月に入り、多くの客に対応するため、店員を通常の5人から、倍の10人にした。
しかし、27日の店内を見てみると、それほど混雑はなく、エコポイント申請カウンターの後ろには、寂しげに並ぶいすもあった。
ベイシア電器佐倉店店長は、「各メディアの方で(駆け込みのニュースを)流されてますので、そういった意味で、土日は除いてるのかなという感じがします」と話した。
しかし、店の裏にある倉庫を見てみると、配送が追いつかず、12月中旬まで配送待ちとなっているテレビが山積みになっていた。
ベイシア電器佐倉店店長は、「かなり配送待ちのお客さまが多くて、現状ですと12月の中旬ぐらいまで配送・工事の予定でいっぱいの状態ですね」と話した。
エコポイント半減まであと4日、家電量販店の駆け込み商戦は続く。

今年の電器屋さんにとっては、ここからクリスマス商戦まで一気に稼ぎ時なんだろうか、とも思いつつ、この施策が日本経済に大きな影響を与えたんじゃないかと勝手に解釈している。
薄型テレビは、価格面ではまだまだ若干高いという認識が強いが、それでもこれだけ消費が伸びている。こういう書き方をするのにはちゃんとした理由があって、例えばノートパソコンなんかは、ネットブック(Acer,ASUS)みたいに海外製品がその極端に安い価格で勝負を挑んできて、十分にマーケットを構築できているという強みがある。
けれども、今回のエコポイント制度は、エコな製品に対して、という表向きがあるにしろ、日本製品や日本メーカーを助ける施策だという見向きもある。(この解釈には往々の異論もあると思うので割愛します。)ただ、やはり小売からすれば、ある程度品質が高くて、相応の値段がする商品を売っていくのが一番CS,利益ともに上げられる最高の販売モデルであることに異論をはさむ余地はないだろう。
問題は来年の頭かな、というのもある。旧正月が終わり、本格的に2011年となった2月以降、果たして液晶テレビ市場の日本メーカー独占がどこまで続くのか、という心配。これが杞憂で終わればいいのだが。

南北朝鮮の軍事的問題が緊迫している。

まさに南北朝の動乱、といったところだろうか。

先日の北朝鮮による韓国延坪島への砲撃は、結果的に民間人2人を含む4人が亡くなるという結果となってしまった。この砲撃によって、軍事的緊張が高まったのは間違いない。この事件から今後の展望を考えることは容易くないが、それ以上にこの軍事的緊張を日本がどう捉えるべきか、というところに僕的関心が集まっている。

そもそも、約60年ほど前にはじまった朝鮮戦争(※注:南北朝鮮は現在も朝鮮戦争中であり、現在はあくまで休戦中であるという認識を忘れてはならない)において、日本は連合国側に立っていたわけだが、当時は自衛隊すらない時代(※注:朝鮮戦争を契機として、1950年に警察予備隊が結成され、後の保安隊および自衛隊となる。厳密には警察予備隊の創設は朝鮮戦争勃発の約2か月後だったはず)で、国防と経済復興という2つの大きな国是に良い機会を与えたのは事実だろう。当然、軍需が発生したわけで、日本は地政学的リスクよりもその恩恵の方が多かったというのが認識でもある。

しかし、今回はどうだろうか。東西冷戦の代理戦争の一つでもあった朝鮮戦争だったが、今回はそういう訳にはいかないはずだ。既にロシアが北朝鮮を全面的に支援するという可能性は低いだろう。当然、中華人民共和国が北朝鮮を支援することは往々にしてあり、そういった意味ではアメリカ合衆国対中華人民共和国という縮図を描くといったほうが、まだ妥当かもしれない。

その場合は、中華人民共和国と日本との間の経済活動に大きな支障が出る可能性は否定できない。レアアース問題であれだけ騒いだ訳だが、輸入だけではなく輸出に関しても、地政学的リスクと同時に政治的問題からの支障が出ることは否定できないはずだ。(実際にそのような問題が発生する場合、ほぼ間違いなく中華人民共和国政府側による制裁になるはずだ。日本がそういった経済制裁などを行うことは、先制だけはまずないだろうし、中華人民共和国側に先制されても二の足を踏む可能性が高いのではないだろうか。)

経済的な恩恵というよりは、戦争において一般的に言われる地政学的リスクの方が、今回は大きいのではないかと思う。特に長距離弾道ミサイルや中距離弾道ミサイルは、沖縄の在日米軍を十分にターゲットとして射程距離に入れている。仮に第二次朝鮮戦争となった場合には、在日米軍の主軸は60年前と変わらず沖縄であるのだから、沖縄の経済活動が日本の経済活動に与える影響が軽微だとしても、やはり有事のドルという意味では、日本からの逃避が進むだろう。

唯一、最近の円高ドル安傾向がここ数週間で落ち着いてきているのが救いだろうか。有事のドルのお蔭でもあるが、この傾向がどこまで続くかは見極めなければならない。特に日本経済の指標(東証平均でもいい)を注目しておかないと、為替の変動以上の問題が起きる可能性も否定できないだろう。