阿久根市の市長解任に関する住民投票が可決された。

<阿久根市>竹原市長が失職 出直し市長選へ

毎日新聞 12月5日(日)22時32分配信

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)の解職請求(リコール)の是非を問う住民投票が5日、投開票され、解職賛成票が有効票の過半数を占め、竹原市長は失職した。議会を招集せずに専決処分を乱発する強引さで批判を招いた「竹原市政」に対し、市民が初めて「ノー」を突き付けた。1月中旬にも出直し市長選が実施される。だが、結果は大接戦で、竹原氏支持層も目立ち、複雑な阿久根の民意が改めて浮き彫りになった。当日有権者数は1万9756人、投票率は75.63%だった。

 竹原氏は午後11時ごろ、事務所で支持者を前に頭を下げた。記者会見では「市民がいろいろ考え、体験するよい機会」と強気の発言を繰り返した。結果について「市職員の給料を下げるなどしたことで、損害を受けた人が中心に解職の投票をしたと思う」と語った。出直し市長選については「出ます」とだけ短く述べ、サバサバした様子だった。

 出直し市長選には解職運動を主導した市民団体「市長リコール委員会」監事、西平良将氏(37)も出馬を表明している。竹原氏との一騎打ちの公算が大きく、「竹原市政」の是非が再度争われることになる。

 住民投票は「リコール委」が有権者の過半数の1万197人分の署名を集め、10月にリコールを本請求した。竹原市政が「独裁」か「改革」かが最大の争点だった。

 「リコール委」など反市長派は集会や街頭宣伝で「竹原市政は改革ではなく破壊。独善的すぎる」と市民に解職賛成を呼び掛けた。

 竹原氏は市民懇談会などで議会・公務員批判とともに「解職されれば、市民の税金が上がる」などと「改革」の継続を訴えた。

 市長失職に伴い、市は「副市長」の仙波敏郎氏(61)を市長職務代理者とする方針。だが、仙波氏をめぐっては、副市長選任が専決処分で決まったことから伊藤祐一郎知事らが疑問を示しており、職務代理を巡って混乱する可能性もある。

 阿久根では、竹原氏と対立関係にあった議会解散を求めるリコールも進行している。竹原派が主導し、11月末、9266人分の署名簿を市選管に提出。審査を経て請求に必要な有権者数の3分の1の6635人を超えた場合、2月にも住民投票が実施される見通し。市議会(定数16)は、反竹原派が12で過半数。竹原派は2人が除名されたため、現在は2人となっている。【福岡静哉、馬場茂、村尾哲】

ということらしい。
とにかく、次の市長選挙が注目だろう。私の読みとしては、また竹原市長が当選するというのではないか、というものだ。この問題については、以下のような論理を私は常々展開してきた。

1.そもそも、地方自治法におけるリコール署名は有権者の1/3で十分である。これは必ずしも有権者の過半数でないわけで、また署名というのは受任者が署名を取りに行くわけだから、有権者がせいぜい3万弱ぐらいの阿久根市だから、誰が署名した、していないがわかるわけで、集めやすい環境でもある。こういった意味で、リコール署名、解職選挙、市長選挙の中で、最も反市長側にアドヴァンテージがあるイベントが、リコール署名である。

2.解職選挙は、単純に賛成反対である。ここで注目したいのは、解職署名をした有権者が1万人弱であったにもかかわらず、反対をしたのは7000人程度だったところ。必ずしもこういえるわけではないが、投票まではしないと思っている人がある程度いるということだ。

3.ところで、市長選挙が開かれる。選挙であるという時点で、前項と同じ環境である。(行かない人は行かないと思う)それに、恐らく市長反対派の監事を好まない市長反対派もいるだろう。市長反対派には悪条件が更に1つ増えるわけで、今回の票差では、そういった環境で簡単に賛成/反対が変わってしまうのだ。

色々と書いたが、こういうロジックで、基本的には私は、阿久根市長に竹原市長が再選されるであろうという目論見でもある。なお、阿久根市長側も市議会解散署名を集め、既にリコール署名が有効数に達していることを鑑みれば、当分の間、阿久根市政は不安定な情勢が続くだろうということは、付記しておきたい。


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